落款とは?

 落成款識(らくせいかんしき)の略語。もともと書画が完成した時、自作であることを示すため、作品に姓名、雅号、年月、識語(描いた場所、状況、動機など)、詩文などを記した。落款印という印章を押して完結する。

 以上がもとの意味だが、時代が下がるにつれて簡略化されてきた。近代以降の日本画では、原則として作家の署名と落款印しかない。主に洋画の影響と思われるが、慣習上、署名として押捺された印影、または署名に代えて押捺した印影をさすことも多い。署名用の印そのものを落款と称することもある。

 制作年代によって落款が変化した作家の場合、絶頂期を特徴的な落款で示すことがある。横山大観の「抜け落款」が有名。草書体で、「観」の「見」の1画目が上に突き抜け、筆記体のkの小文字のように見えるのが特徴。使用した昭和15~23年は、戦時の緊張感と作風の円熟が重なった時期と一般的に評される。